
7-5. 知っておきたい不動産用語10選(初心者向け)
はじめに
相続人不存在の案件を扱う弁護士や専門家の方にとって、不動産用語は避けて通れない知識です。
ただし、不動産業界特有の用語は、法律家や税務の専門家にとって分かりにくいことも少なくありません。
そこで今回は、初心者向けに「最低限押さえておくべき不動産用語10選」を解説します。
用語解説(10選)
1. 現状有姿(げんじょうゆうし)
不動産を現在のままの状態で引き渡すこと。修繕や改良は行わず、買主が現況を受け入れる契約形態。
→ 古家付き土地の売買では、売主(相続財産法人)が修繕義務を負わないため、この契約が一般的です
2. 未登記建物(みとうきたてもの)
法務局に登記されていない建物。登記がないと所有権を主張できず、売却に支障をきたす。
→ 未登記のままでは所有権移転登記ができず、売却手続きが完了しません
3. 入札(にゅうさつ)制度
複数の買主希望者から価格を募り、最も高い価格を提示した人に売却する方式。家庭裁判所案件で多い。
→ 公正な価格で売却するため、また最も高い価格で売却することで残余財産の最大化を図るためです
4. 相続財産法人(そうぞくざいさんほうじん)
相続人不存在の場合、残余財産を公益目的に活用するために設立される法人。売却益の寄付などに使われる。
<土地の面積と境界>
5. 公簿売買(こうぼばいばい)
登記簿に記載されている面積を基準に売買する方法です。後から実測した面積が異なっても、原則として売買代金の調整は行われません。手続きが簡便な反面、正確な面積が不明なため、将来的なトラブルにつながるリスクがあります。
6. 実測売買(じっそくばいばい)
売買契約を結ぶ前に、実際に土地を測量し、その実測面積を基準に売買する方法です。正確な面積が確定するため、特に高額な土地や、将来的な活用を見据えた土地の売買で採用されます。売買代金の透明性が高く、買主の安心感につながります。
7. 境界確定(きょうかいかくてい)
隣接する土地との境界線を、隣地所有者の立ち会いのもと、明確にする手続きです。境界が不明確なままだと、後々隣地所有者との間でトラブルが発生する可能性があり、売却や新築計画の妨げになることもあります。
8. 地積測量図(ちせきそくりょうず)
土地の境界線や正確な面積を記した図面で、法務局に保管されます。境界確定の手続きを経て作成され、正確な面積を証明する重要な資料となります。実測売買を行う際には、この図面の有無が手続きを左右します。
これらの用語は密接に関係しており、正確な土地取引には「境界確定」と「地積測量図」が欠かせません。 相続人不存在案件では、売却価格を最大化し、トラブルを未然に防ぐためにも、これらの手続きを適切に行うことが重要です。
<税金と費用>
9. 固定資産税評価額(こていしさんぜいひょうかがく)
市区町村が3年に一度算定する、土地や建物の公的な評価額です。この評価額を基準に、固定資産税や都市計画税が計算されます。また、相続税や登録免許税などの算定基準にもなり、不動産の価値を測るうえで重要な指標となります。
10. 公租公課(こうそこうか)
固定資産税や都市計画税など、不動産の所有者が毎年負担すべき公的な税金や費用の総称です。売却時には、買主と売主の間で、引き渡し日を基準に日割り計算して精算されることが一般的です。
これらの用語は、不動産を所有している限り必ず発生するコストであり、売買や相続の際には、これらの税金・費用がいくらになるのかを事前に把握しておく必要があります。
まとめ
不動産用語は、相続人不存在案件の進行に直結する「実務上のカギ」です。
これらの基本用語を理解しておくことで、弁護士・税理士・司法書士などの士業間での意思疎通がスムーズになり、案件処理のスピードも格段に上がります。
邦文不動産では、これらの専門用語が飛び交う複雑な案件でも、各士業の先生方との連携をスムーズにし、不動産売却を円滑に進めるためのサポートを提供しています

