
6-1. 所有者不明土地法と相続人不存在の関係
〜 法改正と実務への影響を簡単にまとめます 〜
■ なぜ“所有者不明土地”が問題なのか?
全国で増え続けている「所有者不明土地」。
これは登記簿上の所有者が不明、あるいは連絡が取れないことで、売却・賃貸・開発・活用が進まない土地のことを指します。
国土交通省によれば、その総面積は九州よりも広いとも言われており、社会全体の損失が年間2,000億円以上にのぼると試算されています。
この“所有者不明土地”の主要な原因の一つが、相続登記がされないまま所有者が死亡するケースです。
特に相続人がいない(相続人不存在)場合、誰が手続きを行うかが不明確になり、結果として登記も放置され、「所有者不明土地」になってしまいます。
■ 2023年施行「所有者不明土地法」がもたらす変化
こうした課題を解決するため、「所有者不明土地法」(正式名称:民事基本法制の見直し関連法)が2023年4月に本格施行されました。この法律は、これまで手付かずだった問題に、具体的な解決策を提示しています。
主なポイント:
・相続登記の義務化(2024年4月〜): 不動産の所有権を取得した相続人は、死亡から3年以内に相続登記をしなければ、過料(最大10万円)が科されます。
・所有者不明土地管理制度の新設: 家庭裁判所が選任した管理人が、所有者不明土地の売却や整備、取り壊しなど、必要な処分を行えるようになります。
・共有制度の見直し: 共有者の一部が不明でも、一定の条件のもとで他の共有者が意思決定できるようになります
■ 相続人がいない物件はどうなる?法改正との関係
相続人不存在の不動産も、所有者不明土地と本質的には同じ課題を抱えています。
つまり、「誰が動くのかが不明確な状態」が、売却も活用を妨げる大きな壁となります。
こうした物件を動かすために活用されるのが、「相続財産管理人」と「所有者不明土地管理人」という2つの制度です。
・相続財産管理人: 利害関係者(債権者など)の申立てにより家庭裁判所が選任。相続人がいない場合に、財産を管理・処分します。
・所有者不明土地管理人: 利害関係者や市町村長の申立てにより地方裁判所が選任。登記簿上の所有者が不明な土地を管理・処分します。
これらの制度を知り、正しく活用することで、これまで放置されていた不動産も、売却・換価が可能になるのです。
■ 今こそチャンス!不動産の動かし方が変わった
「所有者不明土地法」という国の動きは、「こうした案件は積極的に活用・売却して構いません」というメッセージでもあります。この法改正によって、放置されていた不動産に新たなビジネスチャンスが生まれているのです。
邦文不動産は、このチャンスを活かすためのプロフェッショナルです。
相続人不存在の物件について、弁護士・司法書士と連携し、
・相続財産管理人の選任申立て
・裁判所への管理・処分許可の取得
・売却に向けた査定・マッチング
まで、複雑な手続きから実際の売却までを一貫してサポートいたします。
■ まとめ:法改正で“動ける物件”が増える時代へ
相続人不存在の不動産は、これまで「動かしようがない」と思われていました。
しかし今は、制度も整い、法的な裏付けのもとに売却・活用できる時代です。
「所有者不明土地法」と「相続人不存在物件」は、密接にリンクしています。
動けるうちに動き、資産を次の世代へと“バトン”として引き継ぐサポートをしていくことが、我々の役割です。
ご質問やご相談がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

