
6-2. 地方自治体による買い取り制度とは?
〜 一定条件で行政が買い取る仕組みを解説 〜
◼️ 行政が“買い取る”って本当?
意外かもしれませんが、実は法的に根拠のある制度なのです。
空き家や所有者不明の土地が全国で社会問題となるなか、「地方自治体が不動産を買い取ってくれる制度がある」と聞いたことはありませんか?
実は、一定の条件を満たす場合、地方自治体(市町村)が土地や建物を買い取る制度が存在します。
この制度は、活用されていない不動産の流通を促進し、地域の安全・景観・福祉向上を目的としています。
地方自治体が不動産の取得・処分に関与する根拠のひとつが、「空家等対策の推進に関する特別措置法(空家特措法)」です。
この法律に基づき、自治体は次のような措置を講じることができます:
・空家の実態調査
・特定空家(倒壊の危険がある、著しく衛生上有害など、放置が不適切と判断された空き家)の指定・指導・勧告・命令・代執行
・買い取り・活用・売却の実施
特に「特定空家」に認定された場合、所有者に対して指導が行われ、最終的には市が買い取って整備・活用するケースもあります。
◼️ 代表的な買い取りスキーム(市区町村別)
制度名や条件は自治体ごとに異なりますが、代表的な例をご紹介します。
● 神奈川県横須賀市「空き家・空き地バンク」
活用希望者とのマッチングを基本としながら、必要に応じて市が取得し、地域用途(公園・高齢者住宅など)として再活用。
● 長野県伊那市「空き家買い取り事業」
一定条件を満たす空き家を市が直接買い取り、移住希望者等に転売・貸与。
● 東京都墨田区「土地流通促進制度」
相続放棄された土地などについて、登記・整地のうえで行政が買い取り、地域活用へ。
■ 相続人不存在不動産との接点
相続人がいない物件は、最終的に国庫に帰属されますが、その前段階で「相続財産管理人」が選任されている場合、以下のプロセスが可能になります。
行政と協議し、地域用途としての利用可否を確認
必要に応じて売却 or 寄付
市側で取得・利活用の判断
つまり、相続人不存在の物件であっても、うまく調整すれば「行政への売却(または無償譲渡)」という形で地域に還元することが可能です。
◼️ なぜ“今”、この制度が注目されているのか
・人口減少・高齢化による空き家の増加
・放置空き家による倒壊・火災・衛生リスク
・地域価値の毀損への懸念
こうした社会背景の中で、「行政が動き出した」というのは大きな転換点です。今後ますます、民間との連携による活用が加速していくでしょう。
◼️ 邦文不動産の役割
邦文不動産では、行政が関与する物件についても積極的に支援しています。
・相続財産管理人との連携
・寄付・売却先としての自治体との調整・法的手続き・現地調査・マッチングまで一括対応
ただ単に行政に売却するのではなく、地域の発展に貢献する形で物件を有効活用するためのご提案も行います
◼️ まとめ:行政と連携すれば“動く物件”になる
これまで「売れない」「引き取り手がいない」とされていた物件でも、行政との連携により、新しい可能性が開かれています。
地方自治体の買い取り制度を知ることは、不動産を“あきらめない”ための第一歩です。

