
6-3. 空き家バンクとマッチング制度の使い方
〜 行政系マッチングサービス活用法 〜
使われなくなった実家や土地、どうすればいいか悩んでいませんか? そんなとき、実は行政があなたの不動産を再生する手伝いをしてくれるかもしれません。
少子高齢化や都市部への人口集中により、全国で増え続ける空き家。そんな中で、自治体が主体となって運営する「空き家バンク」や「マッチング制度」は、不動産の活用や売却を検討する方にとって大きな助けとなります。
特に、相続人がいない不動産の場合でも、こうした制度がきっかけとなって再生される事例が少なくありません。
この記事では、「空き家バンク」と「マッチング制度」の基本的な仕組みから、活用する際の流れや注意点までを分かりやすく解説します。
◼️ 空き家バンクとは?
「空き家バンク」は、自治体が主に空き家の所有者と、空き家を探している移住希望者や購入希望者を結びつけるための仕組みです。
物件情報の登録や紹介は無料で行われることが多く、「民間の不動産サイトに掲載するほどでもない…」と考えていた物件が、実は他地域の移住者から人気物件となることもあります。
◼️ マッチング制度との違いは?
「空き家バンク」が物件情報の掲載と紹介が主であるのに対し、マッチング制度では、下記のように、より積極的な再活用のコーディネートが特徴です。
・空き家所有者
・利活用したい企業・団体(例:カフェ、保育施設、起業支援施設など)
・リノベーション支援業者などの複数の関係者を自治体が「マッチング=つなぐ」形で支援してくれます。
◼️ 活用の流れ
実際に空き家バンクやマッチング制度を利用する際の基本的な流れは、以下の通りです。
1. 自治体へ相談・登録
⇒ 所有している空き家の所在地の自治体窓口に相談。登録には、登記情報や建物の現況調査などが必要です。
2. 物件情報の公開
⇒ 自治体のWebサイトやパンフレットに物件概要が掲載され、希望者からの問い合わせを待ちます。
3. 内覧・条件調整・成約
⇒ 問い合わせがあれば、自治体や提携業者を通じて内覧・交渉が行われます。価格設定や改修条件などの調整も可能です。
4. 売却/賃貸契約の締結
⇒ 成約後、正式な契約手続きを行います。場合によっては、補助金や助成制度との併用も可能です(→詳しくは6-4記事参照)。
◼️ 注意すべきポイント
・「必ず売れる」とは限らない
マッチングはあくまで機会提供。必ずしも買い手が見つかるとは限らないため、「空き家バンク」などの複数のルートでの売却検討も重要です。
・老朽化や権利関係の整理が前提
雨漏りや倒壊の危険がある空き家や、名義変更・登記が完了していない物件は登録できないことがあります。
・自治体によって制度内容が異なる
対応の範囲や補助内容は自治体ごとに大きく異なるため、早めの相談が鍵です。
◼️ 相続人不存在でも活用可能?
自治体によっては、相続財産管理人を通じて空き家バンクへ登録・売却が進められるケースもあります。
売却や再活用を見据えて、制度をうまく活用することで、管理人業務の効率化にもつながります。
まず、家庭裁判所が選任した相続財産管理人が、空き家バンクへの登録を検討します。登録が完了すれば、所有者不明の物件でも、行政の力を借りて買い手を探すことが可能になります。このように、空き家バンクは、複雑な手続きが必要な相続人不存在物件の『新しい出口』となる可能性があるのです。
◼️ まとめ:制度を“きっかけ”に変える
空き家バンクやマッチング制度は、「どう活用していいか分からない」不動産に対する第一歩を後押ししてくれる公的制度です。
制度を「使えるかどうか」ではなく「どう使うか」という視点で、積極的に活用していきましょう。

