
1-1. 相続人不存在とは何か?
相続人不存在とは?他の相続との違いと基本的な流れ
「相続人不存在(そうぞくにんふそんざい)」とは、その名のとおり、相続人がいない、または確定できない状態を指します。相続は通常、配偶者・子・兄弟姉妹など、民法で定められた「法定相続人」が財産を引き継ぐことで完了しますが、まれに誰も相続する人がいない、または相続する人が全員相続を放棄してしまったというケースが発生します。
高齢化や核家族化が進む現代社会では、独身で子がいない方、親族が既に他界している方も少なくありません。さらに、海外移住によって連絡が取れない相続人がいたり、借金などの理由で全員が相続を放棄してしまうようなケースも現実に存在します。
こうした場合、遺産は誰のものになるのでしょうか?
実は、最終的には国庫(=国)に帰属することになります。しかし、それまでの間、遺産は「宙ぶらりん」の状態になるわけにはいきません。不動産があれば固定資産税や管理の問題が、預貯金があれば利息や公共料金の支払いなど、現実的な手当てが必要になります。
実際、不動産であれば固定資産税や維持管理の問題、預貯金であれば利息や公共料金の支払いなどが発生し、放置すれば近隣トラブルや資産価値の低下を招く恐れがあります。
このようなとき、家庭裁判所は「相続財産管理人」を選任し、その人が相続財産の管理、債権者への対応、売却処分などを行います。
なお、「相続人不存在」と似たような言葉に「相続放棄」がありますが、これは少し意味合いが異なります。たとえば、法定相続人が複数人いる場合、一部の人が放棄しても他の相続人がいれば、その人たちが相続するため、「不存在」にはなりません。
相続人不存在の状態が明らかになると、一定期間の公告を経て、管理人によって不動産や動産が売却され、残余財産が最終的に国庫に帰属する流れになります。
このプロセスは通常の相続とはまったく異なる法的手続きが必要となるため、専門家の関与が不可欠です。
邦文不動産では、相続人不存在と認定された不動産について、相続財産管理人や関係する士業の方と連携し、売却・処分の実務をサポートしています。次回は、その相続財産管理人の具体的な役割について詳しく見ていきましょう。

